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ヘッドガスケットフィックスを安全にご使用いただくために

添加剤

ラジエーターの漏れ止め剤を使用する際には「ラジエーター内の配管が詰まることがある」という注意点があることはこういった添加剤をお使いの方でしたらまず知っておくべきことです。特にヒーターコアは詰まりやすく、漏れは止まったが暖房が効かなくなったなんてこともあります。

クーラント漏れを止めるためには何かしらの方法で漏れ箇所を詰まらせるしかありません。つまり、ラジエーターの漏れ止め剤とは詰め物としての性質を必ず有しています。

ヘッドガスケットフィックスは、従来では不可能だったヘッドガスケットの吹き抜け症状をクーラント側から止めるための漏れ止め剤です。修復できた際のリターンが大きい添加剤なだけに、リスローンの中でも屈指の人気商品ですが、同時に安全に使用するために注意も必要な製品です。

この製品の場合、漏れ止め剤の仕組みとしては主に「銅の粒子」と「特殊繊維」を漏れ箇所に詰まらせることでヘッドガスケットを補修し、同時に水漏れを止めます。この特殊繊維は防弾チョッキなどに使用される硬質な繊維を、細かく砕いて内容液に溶け込ませたもので、これはヘッドガスケットに作用するだけではなく、漏れ止め剤としても強力な部類にあたります。

そのため、他の専門的な漏れ止め剤でも止めるのが厳しいウォータージャケットやインテークマニホールドなどの水漏れにも効果を期待できるほどです。

そんな詰まりの危険がある製品で大丈夫なのかと不安になりますが、前提としてリスローンの漏れ止め剤は配管詰まりを起こさないように繊維の大きさなどは綿密に設計され、徹底した製造管理がされています。普通は、漏れを止めることはできても、配管を詰まらせることなんてできません。

なぜ配管が詰まるのか

古い車両やクーラント交換を怠った車両では、配管内に少なからず不純物が発生してきます。主にはサビ、水あか、ゲル化したクーラントの3つです。漏れ止め剤だけが配管内を循環している限りは詰まりを起こしませんが、こうした不純物が発生していると、狭い配管を一緒に詰まらせてしまうことがあります。

不純物の発生&予防方法

サビは、クーラントに必ず含まれる防錆剤によって発生しなくなっています。ロングライフクーラントにおいては数万キロの走行距離に対応しますが、劣化していくものですので防錆性も徐々に失われています。サビは発生しすぎるとそれだけで冷却力を妨げたり、配管を詰まらせたりしますので注意が必要です。予防としては、クーラント交換をしっかりと行ったり、防錆剤入りの添加剤をたまに入れてあげるのが有効です。

水あかは、水道水に含まれるカルシウム分とミネラル分が乾燥して結合することで発生します。誰でもキッチンで見かけますが、同じような現象はラジエーター内でも起こり得ます。クーラントは純度100%で使うことはなく必ず水で希釈します。(仮にクーラントを100%にすると逆に凍ります)

水あかのみで配管が詰まるという事例を私は聞いたことがないですが、何かあっても嫌なので機会があれば除去しておきたいです。

クーラントのゲル化は、珍しい症状ですが恐ろしいものです。LLCの廃液処理剤とは厳密には違いますが、似たことが配管内で起こります。まず、上記の水あかの説明で純度100%のクーラントは凍ると言いましたが、これが関係あります。

水を混ぜると凍りづらくなる理由として、クーラントに水を混ぜるとクーラントの分子同士の間に水の分子が入り込み、それが同じ分子同士が結合する凍結現象(凝固)を起きづらくさせます。(詳しくはまた別の記事で…)

つまり、高濃度すぎるクーラントは極低温下以外でも凍るわけですが、こうした分子同士の結合によってゲルが発生することがあります。例えば、高濃度のクーラント(グリコール)がベースの添加剤の使用によって想定以上に分子同士がくっつきやすくなる状態が当てはまります。

この症状は冬季に起こりやすく、部分的なことが多いです。日本では認知度が低い問題ですが、アメリカの方では割と大きな問題になったことがあるとリスローンの科学者からも聞いたことがあります。つまり、添加剤を多用しているような車への漏れ止め剤の使用は要注意です。

詰まりを起こさないための使用方法とは

ここからがやっと本題です。ラジエーターの配管内をすべてチェックするなんて不可能ですが、出来る対策はあります。少しでも安全に使用するためにご参考ください。

1.新しいクーラントに添加する

上記のような不純物が浮いて循環しているとそれらを漏れ止め剤が巻き込んでしまいます。漏れ止め剤の使用前に、新しいクーラントに交換しておくだけでも浮遊している不純物は排除できます。ただし、クーラントを本当の意味で全部交換するためには何回も充填と排出を繰り返さないといけないらしいので、そう考えると1回の排出でどこまで錆が取れるのか疑問です。

2.使用前に配管を洗浄する

先ほどのクーラント交換のついで作業でできますが、綺麗な状態の配管はそれだけで詰まりのリスクを大きく解消することになります。サビ、水あか、ゲル、油分の洗浄効果のあるリスローンのラジエータークリーナー&スーパーフラッシュ(品番:RP-44240)を事前に使用してみてください。

3.使用量に応じて少しずつ使用する

ヘッドガスケットフィックスはいわばドロっとした漏れ止め剤の凝縮液です。使用量を超えて高濃度に使用するとそれだけ詰まりのリスクが高まります。少ないよりも多い方が補修が成功する可能性が高いですが、詰まりのリスクも高まります。そして、添加する際にはエア抜きをしながらゆっくりゆっくりと添加してください。(ラジエーター全体に少しずつ循環させるイメージです)

RP-4120
ラジエータークリーナー&スーパーフラッシュ

やはりベストなのは、優れた洗浄剤を使い、古いクーラントを排出し、新しいクーラントに予め添加しておいて、充填する方法です。

しかしそれでも古い車両は中がどうなっているのかわかりませんので、詰まるときは詰まります。これはヘッドガスケットフィックスに限らず、あらゆるクーラントの漏れ止め剤を使う上での注意事項です。

それでも使用にリスクが伴う車種も存在する

特に気をつけなければならない車種として日野のプロフィアがあります。この車種はヒーターコア周辺の配管が4㎜程度と非常に細く設計されており、少しのサビでも詰まってしまう可能性がある車両で有名です。(最近改善されたらしいですが…)

また、他の車種でも細い配管があるなどの場合は気を付けてください。

余談ですが、ラジエーターの洗浄は本当に大事なメンテナンスです。漏れ止め剤の使用前だけではなく、本来は個々の部品の耐久年数を延ばすために有効な整備ですので、その重要性についてはネタがしっかりまとまったら共有します。

各製品の詳細はこちらをご確認ください

RP-61110 ヘッドガスケットフィックス (旧RP-31111)
https://carchemi-lab.jp/products/detail/33

RP-41240 Hy-per Cool ラジエータークリーナー&スーパーフラッシュ
https://carchemi-lab.jp/products/detail/156

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