エンジンオイルの役割とは
エンジン
※この記事は「なぜエンジンオイルに添加剤が必要なのか」とリンクして読むとわかりやすい内容になっています。
コラム「なぜエンジンオイルに添加剤が必要なのか」はこちら
同じ種類のエンジンオイルを使っていても5000kmに1回交換する人もいれば1万キロに1回交換する人もいます。そして驚くことに交換しないといけないと知っていながら壊れないから大丈夫と言って2万キロでも3万キロでもオイル交換をしない人だっています。
確かに長期間オイル交換をサボってもエンジンは滅多に壊れることがありません。しかしそれで本当に大丈夫なのでしょうか。
この記事では、エンジンオイルにある7つの役割についてご説明したいと思います。さらに、それぞれが劣化するとエンジンに対してどのようなことが起こるかもご参考ください。
1.減摩作用(摩擦を減らす)
適当な粘度と油性(金属とオイルのなじみやすさ)を保つことによって、ピストンリングとシリンダー壁などの摩擦を減らす。
劣化後:潤滑不足によりエンジンが重くなったように感じます。多少のパワー不足や燃費の悪化が起こります。
2.減摩作用(摩耗を防ぐ)
圧力を分散させることによって、油膜がきれて摩擦面が直接接触し、激しい摩擦から損傷に至ることを防ぎます。
劣化後:メカノイズが大きくなったり、予期せぬ箇所から漏れが発生します。
3.密封作用(隙間をふさいで漏れを防ぐ)
主にシリンダー壁とピストンリングの間を満たすことによって、気密を保ち、爆発・圧縮のガスの吹き抜けを防ぎます。さらに気密性を維持することでエネルギーが外部に逃げないように効率を上げる役割もあります。
劣化後:ブローバイガスの増加や圧縮比のズレにより適切なエンジン出力が得られなくなります。
4.冷却作用(冷却して過熱を防ぐ)
エンジンから発生した熱を吸収することで、必要以上の過熱を防ぎ、その熱を外部に放散させます。高性能エンジン搭載車にはオイルクーラーが装備されている場合があります。
劣化後:エンジンの温度が必要以上に熱くなり、シャフトやピストンなどのパーツが破損リスクが高くなります。
5.清浄作用(エンジン内部を洗浄する)
エンジン内部に発生するスラッジや煤などを取り払い包み込んで分散させます。
劣化後:スラッジが多く形成されると、金属と金属の触れる音が大きくなり、異常な振動、レスポンスの悪化、燃費の悪化などが引き起ります。
6.防錆・防食作用(サビ・腐食を防ぐ)
金属表面に膜をつくり、水分等が直接触れないようにして、エンジン内部にサビが発生するのを防ぎます。
劣化後:水滴が金属表面に付着してしまうことでサビが発生し、重要なパーツを劣化させてしまいます。
7.酸中和作用(酸化物質を中和する)
オイルが劣化すると、酸性化して腐食性が高くなります。オイルに含まれる添加剤が酸を中和して腐食を防止します。
劣化後:防錆作用にも関連づきますが、サビが発生しやすい状態になります。
ここまでいかがだったでしょうか。エンジンオイルの役割を知れば何となくでもオイル交換をした方がいいと思いますよね。安いオイルでもこれらの作用は備わっていますので、定期的な交換を心掛けるのが車を長く乗る一番の方法です。
余談ですが添加剤を選ぶ際のポイントも実はここにあります。どの作用を強化したいのかが重要ということです。例えば、エンジンオイル交換を長期間サボった後に、新品のオイルに交換した場合です。新品のオイルですから減摩作用や防錆作用は新品同様ですが、すでにエンジン内に発生してしまったスラッジが取れるわけではありません。それならばエンジンの洗浄剤が効果的になるわけです。こんな風に考えて、自分の車に良さそうな1本を選ぶのもカーライフの楽しさだと筆者は考えています。当社は輸入カーケミカルにおいて国内No.1カンパニーですので、油脂類やケミカルでお困りの際はお気軽にお問合せください。