エバポレータークリーナーについて本気出して考えてみた
カーエアコン
エバポレータークリーナーはカーエアコンの登場以来、エアコン用ケミカルとして多くのメーカーがリリースしてきましたが、このコラムを読まれている方はご使用されたことはあるでしょうか。ここでは、エバポレーターの汚れや洗浄方法について少しご紹介できればと思います。
エバポレーターの汚れ
エバポレーターは、エアコンサイクル内においてエキスパンションバルブによって噴霧された液冷媒が気化することで気化熱を発生させて冷たく冷える部品です。そこにブロアファンで外気を当て、室内に冷たい風を送り届けています。そのためエバポレーター上には結露が発生します。夏場にエアコンをかけていると車体の下に水がポタポタと落ちていますよね。あれはエバポレーターのドレンから排出された結露です。 結露だけならば腐食(漏れ)の心配だけになりますが、ここは外気を取り込む箇所でもあるためどうしてもホコリやカビが侵入してきます。その手前にはエアコンフィルターが取り付けられていますが、フィルターを定期的に交換してもエバポレーターは少しずつ汚れてしまいます。つまり、エバポレーターの汚れというのはフィンの間に溜まったホコリが結露で湿り、エアコンをOFFにした後の温かい空気で繁殖したカビでいっぱいです。この状態でエアコンをつけると、送風口からカビの嫌な臭いが出てくるわけです。ホコリに関してもフィンに詰まれば気化熱を作る効率が悪くなりますので可能であれば除去したい汚れです。
エバポレーターを洗浄するには
先ほどの話でエバポレーターの取りたい汚れはカビとホコリであるとわかりました。そうです、カビやホコリを洗浄できるケミカルであれば効果を発揮するということになります。しかし、だからと言ってホームセンターや薬局で売っているお風呂洗剤やフロア洗剤を使うのはオススメしません。エバポレーターはアルミニウム合金でできていますので、洗剤によってはサビや腐食を発生させる原因になります。 さらには、エバポレーターにアクセスするにはダッシュボード奥のエアコンフィルターの奥からか、車体の下部にあるエアコンドレンからになります。ここに洗剤を「いかにして届けるか」も大事ということです。
さらにさらに、エバポレーターのフィンは1㎜程度の間隔で無数に広がっています。カビやホコリはこの隙間にいますので、ここに「いかにして洗浄剤を触れさせるか」も考えなければいけません。 さらにさらにさらに、洗浄剤を送り届けられたとしても洗浄の最終奥義「磨く」を使えません。擦らずして汚れを落とさなければいけないということです
エバポレータークリーナーとして必要な要件
ここまでどんな部品で、どこにあって、何によって汚れるのかを見てきました。これらをまとめて見てみましょう。
・ダッシュボード奥の手の届かない位置にある
・アクセス方法① エアコンフィルター取り付け位置
・アクセス方法② エアコンドレンホース(結露の排出口)
・エバポレーターのサイズは横幅30cm×高さ20cm×奥行5cm程度が一般的
・エバポレーターを納めているエアコンユニットの容積はエバポレーターの2倍ほど
・無数のフィンで構成されており、この隙間に汚れが溜まる
・主な汚れはカビやホコリ
・金属腐食を起こす成分は好ましくない
ざっとこんなもんでしょうか。たくさんの要件があっておもしろいですね。
エバポレータークリーナーの種類
さて、では実際にエバポクリーナーとはどのような商品があるのでしょうか。ここでは特に効果的な2種類をご紹介させていただきます。
①エアコンフィルター取り付け位置から洗浄する
このタイプの特徴としてはスプレー缶に長いホースが付いたものが多いです。ここからの洗浄方法は、エアコンをONにして最大風量で施工します。そのため、エアコンフィルターを取り外した位置にホースを入れてそのまま洗浄剤を注入します。ここでホースを奥まで入れてしまうとファンに巻き込まれてしまうので注意が必要です。
こうした性質上からか、洗浄液はファンの風に乗ってエバポレーターにアプローチしていきますので液状だったり、マイクロムースのような柔らかい泡のものが多いです。
②エアコンドレンホースから洗浄する
これも特徴としてはスプレー缶にホースが付いたものが多いですが、固いホースを採用した製品が多くみられます。ドレンホースに接続して注入しますので、ホースの先にはドレン接続用のコネクターが付属しています。このタイプはエアコンをOFFの状態で使用するのですが、理由としてはエバポレーターの周囲全体を泡で包んで洗浄するためです。そのため少し粘り気のある泡の製品が多いです。また泡が弾けて消えるまでの間にエアコン
をONにすると、送風口からすごい量の泡が室内に流れ込んできてしまいます。ただし、①と比べて洗浄剤と汚れが触れる時間は長いので、しっかりと泡で包めさえすれば非常に効果的です。ドレンホースから注入するため、ジャッキアップが必要なのも注意点です。
最後に
しっかりと商品紹介をして最後にしたいと思います。当社の新ブランド「ワザアリケミカル」から2024年4月に「エバポレータークリーナー エクストリームフォーム」が発売となります。この商品は、ドレンホースから注入するタイプでありながら送風口を泡沫洗浄することも可能な究極のエバポレータークリーナーです。
特にこだわったのがこの「泡沫性」で、大きめのエバポレーターであってもこれ1本でなんと2台分も包み込めてしまうくらい泡立ちます。従来の泡沫性クリーナー
は、泡の粒が大きすぎてエバポレーターのフィンの隙間に入っていかなかったり、容量が少ないためエバポレーターを包み込めなかったりしましたが、そうした目に見えない場所で起きているネガティブな要素を排除したのがこのエクストリームフォームとなります。
施工後は、もぎたてりんごの香りが残りますので子供にも喜んでもらいやすいと思います。