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【現代のガソリン車が抱える問題①】デポジット問題とは

エンジン

「エンジン内部の汚れ」×「現代のデポジット問題」はベリーマンで解決できる

「エンジンの洗浄剤でカーボン汚れが取れますよ!」……ちょっと待った!なんだそれはどんなケミカルだ!どこに使うんだ!と激ツッコミを入れたくなることが多々あります。言いたいことはわかるんですが、社内で聞こえてくるたびに大丈夫かなぁと聞き耳を立てて心配な自分がいます。今回は私のキャリアと威信にかけて「エンジン内部の汚れの種類」「現代のガソリン車の問題」とその解決策についてご説明させていただきます。

エンジン内部の汚れ

エンジンの汚れについて考えたことがある人は少ないかと思いますが、これを知ることで適切なケミカルを選ぶことができたり、車のメンテナンスにケミカルという考える幅が増えます。例えば、燃料添加剤を使って効果を体感できる人とできない人がいますが、できる場合はその車の状態に適した添加剤を使った人とも捉えられます。

スラッジ

特徴:オイルの変性物で黒いヘドロのよう
場所:エンジンオイル系統


種類A:エンジンオイル(潤滑油)が熱と酸化作用により形成される不油溶性成分。一般的にスラッジと呼ばれるもの。
種類B:燃料の燃焼時に発生する窒素酸化物(NOx)がブローバイガスとしてエンジンクランクケースに入り込み、エンジンオイルと混入した際に形成される塗膜状の堆積物。カーボンスラッジと呼ばれることもあります。
種類C:今では一般的ではありませんが、硫黄を含んだ燃料もブローバイガスとしてエンジンオイルと混ざると硫化物が発生し、エンジンオイルの濃縮が起こる。

ワニス

特徴:燃料の蒸発物でギトギト
場所:燃料系統、インジェクター 気化したり酸化劣化したガソリンが空気中の水分と交わることで発生するタール状の物質。金属製の燃料タンクやキャブレターを包み込むあのベトベトのこと。燃料まわりに存在する。語源はVernis(バーニッシュ)であり、木工用塗料のニスと同じ語源。

カーボン

特徴:燃料が燃え残ったスス
場所:燃焼系統、吸気系統、排気系統
カーボンは燃料やエンジンオイルに含まれる炭素が燃焼の過程で燃え残ったススのこと。後述するデポジットのように固まらない。EGR(排気ガス再循環装置)などにより吸気系にも付着する。

デポジット

特徴:燃焼生成物、カリカリ
場所:燃焼系統、インテークマニホールド
よくカーボンと同じに考えられますが、全くの別物です。オイル、燃料、排ガスによる燃焼生成物のため燃焼系に付着する。


種類A:油分が焼き付いて発生するデポジット=油溶性デポジット
種類B:オイル中の硫黄分が熱で反応して発生するデポジット=水溶性デポジット

現代のデポジット問題

車はその登場以来、人にとって最高の移動手段の一つです。その性能や効率は時代とともに進化してきましたが、エンジンそのものの根本的な仕組みは変わっていません。それでは現代の車が昔の車と絶対的に異なる特徴とはなんでしょうか。それを理解するカギが「エコロジー」です。現代の車は、いかにして燃費を稼ぐかだったり、有害な排気ガスを大気中に極力出さないように様々な工夫によって設計されています。単純な話ですが、エンジンが内燃機関である限りは、排気ガスを大気に出さないためには内側に閉じ込めてしまえばいいんです。現代のディーゼル車はエコでパワフルで静かですが、いざDPFの問題に直面したときには頭を抱えます。

それでは現代のガソリン車のデポジット問題とは何でしょうか。一緒に見ていきましょう。

デポジット要因①…インジェクターの変化

2005年に登場したトヨタのD-4Sエンジンが最も良い例です。このエンジンの特徴は、ガソリン直噴エンジンD-4にポート噴射を併用したシステムです。これは、直噴エンジンでは苦手だった良好な混合気を精製するためのバルブコントロール取りやめ、ポート噴射を併用することで大排気量の動力性能と高燃費を可能としたエンジンです。

特にこのポート噴射の特徴は、吸気バルブの傘上部に噴霧する点にあります。これにより、ガソリンがアイドリングストップ時に「蒸し焼き」の状態になり、デポジットが発生します。さらに排気バルブは「遅閉じ」のため、直噴したガソリンも吸気バルブやピストンに付着してデポジットになります。
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デポジット要因②…低粘度オイルによるブローバイガスの増加

現代のエンジンオイルの主流は0W-20から0W-16や0W-8への移り変わりつつあります。こうした超低粘度オイルは、クランクケース内のオイルミスト発生量が多く、ブローバイ還流ホース(PCV)が太くなってきています。これにより、還流されたオイルミストはポートやバルブに付着し、油溶性+水溶性デポジットの発生要因となっています。

デポジット要因③…排気ガス還元量の増加(EGR)

EGRの目的が今と昔で変わったことが一つの要因です。昔のEGRは排気ガスに含まれる未燃焼のガソリンを再利用する目的だったため還元量は5%程度でした。近年では「燃料を少しでも少なく噴射する方法*」として排気ガスを活用しているため、還元量は最大で30%にも及びます。
*ガソリン噴射量を少なくするために”酸素”を吸わせない仕組み

デポジットのまとめ

これら3つの要因によって、近年の車は昔と比べて信じられないほど多くのデポジットが発生します。インテークマニホールド、インテークバルブ、燃焼室などの周囲はこのデポジット問題によって多くの問題を抱えているのは明白です。
※あくまでこれらは燃費を少しでも良くする目的のシステムであり排気ガス削減は主目的ではない。

①ガソリンをバルブの傘に噴射する設計とアイドリングストップによる「ガソリン蒸し焼き
②超低粘度オイルによる大量のブローバイ還流による「吸気側へのオイルミスト
③大量の排気ガス再循環による「吸気側の焼き付け作用

じょうぶなカリカリの完成

吸気系の汚れ

ここまででエンジンの潤滑系、燃料系、燃焼系の汚れに関して何となくイメージができてきたかと思います。そして忘れてはいけないのが吸気系です。インテークマニホールドも吸気系ですが、先ほどご説明した3つの要因で汚れます。そうです、忘れてはならないのがスロットルバルブです。

これはエンジンに入ってくる空気の量を調整してくれるフタのような役割をしてくれている部品ですが、ここが汚れてくると適切な量の空気が入っていかず、アイドリング不調やパワー不足の原因になります。この汚れは、カーボン(スス)とワニス(ガソリンの蒸発物)の混合物です。

そしてもう一つお伝えしたいのがエアフローセンサーの汚れです。この小さなセンサーはスロットルバルブよりさらに上流のエアクリーナーボックス付近にあります。このセンサーによって空気の流量を測り、電子スロットルの開閉角度を調整しますが、わずかな汚れで吸気量がブレてしまいます。この汚れは、カーボン(スス)とワニス(ガソリンの蒸発物)に加え、エアクリーナーのカスでも機能に影響を与えてしまいます。

ここまで汚れの種類に関して説いてきましたが、いざエンジンの不調やパワー不足を感じた時にはどうすればいいでしょうか。インジェクタークリーナーを入れてみるくらいのことなら誰でもできますが、それで改善できる症状にも限りがあることがお分かりいただけたかと思います。だからといってオーバーホールですべてを清掃するなんてことをすれば数十万円もの費用と時間がかかってしまい現実的ではありません。

そこで強くご紹介したいのがこちらの製品です。

エアー&フューエルシステム4ステップメンテナンスキット

これは当社が輸入販売をするアメリカのベリーマン・プロダクツから発売されているエンジンのメンテナンスキットです。このキットは、ステップ1からステップ4までの4つのケミカルをエンジンの主要な部品に対して使用します。それぞれの部品は、その汚れの正体が異なりますので、このキットによって最適な洗浄メンテナンスを行うことが可能です。

ステップ1:マスエアーフローセンサークリーナー(170g)
ステップ2:エアーインテーク&スロットルボディクリーナー(170g)
ステップ3:インテークバルブ&燃焼室クリーナー(425g)
ステップ4:コンプリートフューエルシステムクリーナー(474mℓ)

コラムテーマから離れすぎてしまいますので多くは語りませんが、このキットで洗浄メンテナンスできるのはおよそ以下の部品になります。

洗浄対象
・エアフローセンサー(ステップ1)
・エアダクト(ステップ1)
・スロットルボディ(ステップ2)
・ISCV(ステップ2,3)
・インテークマニホールド(ステップ3)
・インテークバルブ(ステップ3)
・燃焼室(ステップ3)
・ピストンヘッド(ステップ3)
・燃料タンク(ステップ4)※金属タンクのサビは不可
・燃料ライン(ステップ4)
・インジェクター(ステップ4)

オプション①
オイル潤滑系のスラッジに関しては4ステップメンテナンスキットでは対応できませんので、潤滑系に発生したスラッジの除去にはこちらのオイルチェンジフラッシュをご利用ください。

オイルチェンジフラッシュ

30分アイドリングするだけでエンジン潤滑系に発生したスラッジや混入した水分を素早く洗浄除去することができます。洗浄後は、エンジンオイルを必ず交換してください。

玉ねぎの皮を剥くようにスラッジを洗浄しますので、潤滑経路を詰まらせる心配がありません。エンジンのエマルジョン(乳化現象)から回復させるのにもお勧めです。

オプション②
4ステップメンテナンスキットの施工時にエンジンオイルを交換する場合は、性能向上剤を併せるのが効果的です。

オイルシステム レジュベネーター

「エンジン性能」と「エンジン寿命」を最大化するためのエンジンオイル添加剤です。

・亜鉛ベースのZDDPとモリブデンによる優れた潤滑力を発揮。
・オイルシステムを遅効洗浄し、スラッジの形成を抑える。
・シールとガスケットを活性化させて漏れを防ぐ。
・油温の異常な上昇を抑える。




ベリーマンについて更に詳しい情報はこちらをどうぞ

業者の方はこちらもご自由にお使いください

使用方法の動画はこちら

最後に

今回は「エンジン内部の汚れ」と「現代のデポジット問題」についてでした。こうした知識をなぜコラムにするかというと、これをお読みの皆様に断片的な知識ではなく繋がりで理解してほしいからです。なぜならば、車はすべて物理と科学でできています。その不調にも不具合にもすべてに理由があります。だから我々は理屈を勉強して向き合う必要があります。そして誤解してはいけないのは、これら情報もまた氷山の一角であるということです。

当社は米国の実績ある添加剤メーカー「RISLONE」の日本代理店として10年間取扱いをしてきましたが、その中でこれら問題に関する情報を山のように見てきました。そしてこうした問題に対して添加剤にできる限界を感じていたときにベリーマン・プロダクツと出会いました。はじめに4ステップメンテナンスキットを見た時に「これだ!」と一瞬で確信したことを鮮明に覚えています。そして、これら問題の言語化を手伝ってくださったT師匠に感謝します。

今後とも、ベリーマンをどうぞ宜しくお願いいたします。



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